脂肪由来幹細胞を用いた乳房再建は、乳房組織を再建するための一つの方法です。
1.1. 脂肪由来幹細胞(Adipose-derived stem cells; ASCs)
脂肪組織に存在する成人間脂肪由来の幹細胞です。これらの幹細胞は、脂肪組織から採取され、特定の条件下で増殖および分化させることができます。
1.2. 乳房再建手術
乳房再建手術は、乳房組織を再建するために行われる手術の総称です。乳癌の手術で乳房の一部または全体が摘出された場合や、先天的な乳房欠損の矯正のために行われることがあります。
1.3. 脂肪移植
脂肪移植は、患者自身の脂肪組織を乳房再建に使用する手法です。まず、患者の体の別の部位(通常は腹部や太もも)から脂肪組織を摘出します。その後、摘出した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離し、患者の乳房に注入します。
1.4. 自己脂肪由来幹細胞の乳房再建の利点
脂肪由来幹細胞を使用した乳房再建の利点は、自己組織の使用による免疫応答の低下、天然の感触と外観の再現、長期的な成果の維持などが挙げられます。また、脂肪移植による乳房再建は、他の方法と比較して手術部位の合併症や副作用のリスクが低いとされています。
脂肪由来幹細胞を用いた乳房再建は、臨床的に広く利用されています。イサールクリニックでも乳房再建は行われており、写真のような成果が得られています。
脂肪由来幹細胞を使用した乳房再建は、現在の乳房再建手術の一つとして有望な方法です。さらなる研究と技術の発展により、より効果的で安全な乳房再建法が開発されることが期待されています。